先週、三島のお寺の「お袈裟を縫う会」に行って来ました。

伊豆から三島へ行くには標高450mの亀石峠を越えるので、冬は凍結や雪に注意です。私の小さな車は四輪でスタッドレス・タイヤも新品、万全のつもりですが、緊張して運転するのでお寺に到着すると本当にホッとします。

「お袈裟を縫う会」は朝9時過ぎから夕方4時まで、各人都合のよい時間に参加出来る自由な会です。

住職さん(方丈さんとお呼びしています)がご指導下さるだけでなく、お昼やお茶までご用意下さる、何だか別世界の時空です。

私は今まで小さい五条袈裟の絡子を3枚大きな九条袈裟を1枚縫ったのですが、次はご先祖様の着物で袈裟を縫いたいと思いました。

この夏仕事場の大整理をした時、ご先祖様の着物も整理して種類や数を把握出来たので、どの組み合わせで何が出来るか考えました。そして何種類かの生地を組み合わせて縫う「糞掃衣」という袈裟を縫う事に決め、昨秋から少しずつ準備して来ました。

表地は卍模様の綸子、表地を支える芯地は絹のオーガンジー、先ずこの2枚をしつけで止めます。

私が縫うのは九条の「糞掃衣」ですが、九条の袈裟はこのような長四角の布が縦方向に3枚、緯方向に9枚連なって構成されます。

1/29の1枚の長方形の布に、29枚全体のバランスも考えながら、模様となる布をのせて行きます。

大きさや形を決めて布を切り、位置を調整しながらしつけで止めます

上下左右の模様のバランスが大切です

模様布のしつけが終ったらその周囲を先ずくけ、それから全体の刺し子に縫いに入ります。

芯地、表地、模様の布、この3枚を刺し子の運針で埋めて行きます

私は小学校の家庭科以来の運針なので、細い針目で細いピッチで縫うのは最初から諦めて、とにかく最後まで諦めないで縫えるような針目とピッチにしました。

刺し子で布が縮むので、縫い終わりは少し余裕を持って玉止めします。

未だ3/29しか出来ていませんが、今の私にとって心静かに運針する時間は本当に安らぎの時です。鹿猪対策で疲れ果てた晩、私は安らぎと癒しを求めて、縫いかけのこの「糞掃衣」の側で眠ってしまった程でなのです。