糞掃衣完成3 袈裟・全体説明の続きです。

袈裟の中でも最尊最上の袈裟と言われる糞掃衣は、いらなくなって棄てれらた、人の惜しみの全くかからない布の端切れを拾い集め、洗い染めたりして、丈夫な部分をつづり合わせ、さらに刺し子縫いを施して1枚の袈裟に仕上げます。

私の今回の糞掃衣制作は一昨年の夏のご先祖様の着物の整理から始まりました。そしてその秋着物を解いて洗い、どのような袈裟にするか考えました。

象牙色の亀甲の綸子を表地に、夏の絣の着物を模様に、祖母の紋付を縁に、

全体に明るくクッキリで派手すぎるかも・・・

灰緑の卍の綸子に渋い絣を模様に、縁は鼠茶の袴地・・・

落ち着いていて良いかもしれません。

あれこれ考えていた時ふと外をみると、夕暮れの山がグラデーションで霞んで見えました。あまりの美しさにワンショット。そして私はこのイメージで遠山の糞掃衣を作る事に決めたのです。

袈裟の作り方の本は何冊かあるのですが、袈裟を実際に手に取って見たり着た事がある人でないと、口伝を書きとめた教本だけで実際に制作するのは難しいと思えます。

私は「お袈裟を縫う会」のお寺で糞掃衣を見せて頂いたので、教本を参考に自習で縫い進めましたが、それでも簡単ではありませんでした。

今思えばその頃は目が非常に悪かったので、全ての教本を拡大コピーして、図や説明を書き込みながら必死で理解し、一歩一歩石橋を叩くように確認しながらの制作でした。

布は紙ではなく伸び縮みする厚みもある立体なので、完成したい寸法に縫い上げるには、編み物のゲージの様なサンプルを作り、それを基に寸法を割り出すのが賢明。教本から寸法を計算して布を全部切り、縫い上げたら「小さ過ぎた&大き過ぎた」発生の可能性は大だと思いました。

それで私は教本から計算した大きさでユニット2つだけを先ず作ってみる事にしました。

結果は ↑ この通り

刺し子縫いするうちに、芯地のシルクオーガンジーの周囲がほつれてしまい、ロックミシンをかけたらご覧の様に一回り小さくなってしまいました。

それで芯地の大きさを教本より大きくし、ほつれを防ぐために先に周囲をロックミシンで押さえる事に。この段階で私のゲージを基に表地と芯地の大きさを決め、全ての布を断ちました。

改良した一回り大きい芯地に表地をのせ、待ち針を打ってシツケで止めます。

3段9列ー27枚のユニットの表地と芯地をシツケして、番号を書いたシールを貼ります。

それをアトリエの床に出来上がりの位置に並べて、山形の布を散らす配置を考えました。

最初にサンプルとして縫ったユニットも、目立たない位置に使う事に決め、バランスを考えながら山型布を置いて位置を決めて行きます。

絣の着物のどの部分で山型を切り抜こうか・・・ どんな山型がよいかしら・・・

とても楽しくて山を切り抜き過ぎてしまいました。

位置が決まったら後は延々と刺し子縫いなので、この段階が一番自由で楽しいのかも知れません。