このお盆は来客の予定があったのですが、それがキャンセルになって、急に丸3日間予定が無くなりました。それで今回倉庫を整理していて気になっていた「ご先祖の着物の整理」を思い切ってする事にしました。

倉庫から着物の入った大きな段ボールをやっとの思いでアトリエに運び、たとう紙を開いて中を確認し、着物、羽織、袴、帯、に分けてアトリエの床に積み上げました。そして種類別に遠し番号をつけ、1点1点にその番号を添えて写真を撮りました。

全部父方の祖父祖母のもので、郷里が飛騨なので戦火を免れました。祖父も祖母も教師で転勤族、箪笥ごと祖母の実家である神社の蔵に預けてあった時期もあったと聞きました。私の父もまた転勤族だったので、トランクルームにほとんどの期間預ける事になり、現在の仕事場が出来た時ようやく引き取れたのです。

祖母の結婚衣装と同じ箱に入っていたので多分100年くらい前のもの、紋は「菱唐花」で祖母の実家の紋です。

松に鶴の墨絵が描かれた子供の着物、紋が「菱唐花」なので祖母の小さい時の着物でしょうか?

祖母はキャリアウーマンで28歳で結婚の、当時としては晩婚だったと聞いています。もし祖母の小さい頃の着物だとしたら120年以上前のものになります。もう1枚鶴模様の子供の紋付もありました。祖母は「千鶴」と言いましたので、彼女のものなのかもしれません。

こちらの紋付は「剣カタバミ」なので平澤家のものです。

祖父母夫妻は教職だったからか、全体に地味目な色や柄の着物が多く、羽織の多いのにも驚きました。着物に羽織は今の働く女性のスーツといった感じだったのかもしれません。

地味目なワードロープですが、中にはこんな明るい色の着物もあります。

紺地にグレーの格子のツルっとした平織りの絹地、今洋服にしても着られそうな柄です。

茶色地にグレーの麻の葉を絣で表現した絽、昔は細い絹糸を繰りあげられたのでしょう、とてもとても軽いです。

ヤシの木を織り出した丸帯。こんな幅のある帯を巻いて日常生活を送っていたとは驚きです。

夏用の紗の帯のほどいたのが出てきました。私好みの色、それに生き生きした素敵な模様、これを織る手間を考えると気が遠くなりそうです。

ご先祖の着物を頑張って整理したのには、実はもう一つの理由があります。それは「手持ちの古い着物で袈裟を作ってみたい」という思い、私はそれが募るばかりだったからです。