今回の飛騨行きの最終日、初夏に行った時にお流れとなった木工作家Hさんの工房を訪問する事が出来ました。
宿に迎えに来て下さった幼馴染のYさんの車で、神岡町の中心部から工房のある山之村に向かうと、辺りは雪景色になって来ました。
私は12歳まで飛騨の神岡町に住んでいたのですが、当時は今より雪が多く平家の家は雪に埋もれてしまう事も。子供だったので雪は楽しい思い出ばかりですが、両親は大変だったと思います。
その神岡でも山之村は豪雪の地で知られた地域。
袈裟の制作が捗らず飛騨行きが遅れて、山之村へ行けなくなってしまうかも?と、Yさんへ連絡すると「Jimnyなら雪が降っても大丈夫」のお返事。
そして本当に雪の中Jimnyで、山之村のHさんの工房へ向かう事になったのです。
雪道に入ってシフトを4輪に切り替え、山道をユックリ進みます。タイヤはスタッドレスでなくスノータイヤだそうです。
昔冬は陸の孤島だった山之村ですが、今は除雪で道が不通になる事はないとの話。
前夜降った雪で木も大地もフワフワで真っ白、
雲の向こうの空の青さが目にしみます。
ここがYさんのお友達の木工作家Hさんの”工房ヤマセミ”
昔は牛の獣医さんの建物だったそうで、民家とは違う作りです。私達の到着に気付いて、Hさんが工房から出て来られました。
出入り口を入ると・・・
色々な作品が並んでいます。テーブルの上にはヤマセミのマスク掛け?
2階も展示室になっていて、作品が沢山並んでいます。
Hさんの作品は、椅子やテーブルをデザインして、それを木で作るのではないのです。材料となる木が「なりたい」と言っている、その声を聴きながら椅子やテーブルを作っているよう。私にはそう感じられました。
木がそこに生きているようで・・・
木がそこで歌っているようで・・・
木が「座ってみてください」と、言っているようです。
工房も見せて頂きました。
家具製作だけでなく、材料にする木の伐採、製材、乾燥、全てお一人で行っているとの事。
それも大型の機械を使わず全て手作業でです。
「冬ストーブの火を絶やさなくても室内で接着剤が凍ってしまうので」・・・ Hさんは話しながら接着剤を入れている保温された箱を指さしました。室内でマイナス15度だそうです。
ここでHさんは、資本主義社会の効率や経済とは無関係の自分の世界で生き、一人静かに制作されています。その姿と作品に私は深く心を打たれました。
工房ヤマセミURL
工房ヤマセミ ー 天然木の家具&クラフト (yamasemi883.com)
工房ヤマセミ:世界に一つしかない一点ものの家具&クラフト on Strikingly (mystrikingly.com)
工房ヤマセミ(@yamasemi883) • Instagram写真と動画