エジプトカイロ在住の親友Lさんかんからメールが届きました。

Lさんは35年来の友達、私達がカイロに住んでいた時、Mさんの英語のレポートのチェックをお願いしていたのがLさんです。彼女はアメリカ人でアラビア語の専門家、当時カイロのアメリカン・ユニバーシティで教えていました。レポートチェックの後は、私の手料理で一緒に食卓を囲んでが常で、お料理と楽しい会話を通して私達はとても親しくなりました。

ナイル川のボートで私の誕生パーティー 1985年

Dear Emiko
最後のメールから3か月、世界は全然違う処になってしまいました。コロナが世界に蔓延し、世界中の人々がそれに対しベストを尽くし、各国の政府は時にはでたらめな対応をしたり。今、世界の全ての人がパンデミックというものをそれぞれ学んでいるのだと思います。

最後にメールで話したのが何だか100年前のよう・・・お変わりありませんか? Mさんはいかがですか? あなたは外出する時マスクをつけているに違いないと私は思っています。Mさんも外出時にそうしていると良いのですが。高齢で基礎疾患のある人は特に危ないです。それに、あなたも私も昔のようにもう若くはないし・・・

Mohammedと私はこれまでのところ元気です。私はほとんど一日中家の中です。というのも、私はエジプトのコロナに関する統計を信じていないのと、たとえ統計が技術的に正しかったとしても、殆どのエジプト国民はテストを受けていないのだから、感染状況を誰がどうやって分かるのでしょうか?誰も分かりません。

そんな状況なので私はextra用心しています。でも彼は毎日仕事に行っています。幸い彼はお店に常時いるわけでなく、日に少なくて1時間、時には3時間以上・・・ それ以外はオフィスです。でもオフィスには事務員が6人いるし、デリバリーの運転手も出入りする、彼の仕事場は私が考える安全圏を越えています。とにかく状況はこんなです。

彼は帰宅したら直ぐシャワーをし、私は彼が着ていた衣類を外に吊るしたり、洗えるものは全部洗っています。やれる事をやったら、後は運と抵抗力にまかせるしかありません。私達は全員その運と抵抗力があるのだ!と信じましょう。 こちらは今度の金曜からラマダンが始まります。

Lさんが市場が市場で買って来た新鮮なスイカで締めくくり

制限のある暮らしの中、あなたは自分の精神を元気づける何かをしていますか? 庭仕事や野菜作りを続けているかしら? 横浜の空気がよくなったかしら? 色々想像しています。カイロは空気が前よりずっと良くなり、19時からの夜間外出禁止令のお陰で夜間の騒音が無くなりました。

あなたの周りは春の色であふれているのでしょうね。花や新緑・・・ 私は今自然が恋しくてたまりません。毎日フラットに閉じこもりの私に見えるのは、窓の外の2~3本の街路樹のてっぺんだけ・・・

たまに、Mohammedと一緒に夜遅く(23時頃かもっと遅く)散歩に出ます。夜間外出禁止令下なので、メインストリートや警察が違反者を見張っている交差点は避けてです。見つかったら罰金は一人LE4000! でもこうして少しでも散歩しなかったら、痛めている腰がもっと悪くなってしまいます。日中に外出すれば良いのかもしれませんが、人が一杯なのと、もう暑いし。私には涼しい夜が向いています。退職してからフクロウのような夜型になりました。
I hope you are well, my dear rabbit, and that you will stay that way!
Good wishes from Cairo. Love, L

食事が終わってボートを降りるとプレゼントが待っていました

帰国した後も、フィラデルフィア郊外の彼女の実家をMさんと訪ねたり、エジプトを再訪したり、ヘルシンキで開催された私の展覧会に彼女がエジプトから来てくれたり・・・ Lさんが訪日した時は仕事場や横浜の家に泊まり、一緒に京都旅行に行きました。彼女がコーネル大学で教えていた時には、大学の街イサカを尋ね「ブロッコリーの森」の菜食レストランへ行ったり、ベジ料理で有名な神父さんの修道院へ冒険旅行したり、楽しかった思い出が一杯です☆

そんな昔は、さらに、さらに、遠くなり・・・

たった3か月前のコロナ以前の世界も、遠い、遠い、昔に感じられます。

以前と同じような世界はもう来ない、新しい生き方が始まり、世界は全く変わってしまう、そんな気が私にはするのです。