連休最後の日、今日は雨。

激動の3週間が過ぎて、疲れ果てて目も霞んでいるけれど、幸せな自分がいます。

この3週間何と多くの人やエネルギーが渦巻いた事か。業者や職人さんが出たり入ったりし、小さな事故が2回起き、思ってもみなかったお客様が2度ありました。私は次々目の前に起こる事に真正面から対処しベストを尽くす、それだけしか出来ませんでした。

そして疲れて身体を動かすのも億劫な今日、今自分が居る時空を見渡すと、念願だった織物再開のスタート地点に自分が立っていました。夢の様です。堰を切ったように物事が動き出し、あれよあれよという間にここまで来てしまったのです。

雨に濡れる玄関先の植物、ゼンマイが大きな葉を広げています。毎年葉を広げる前に鹿に食べられてしまっていたゼンマイが、こんなにのびのび葉を広げたのは15年以上ぶりです。

そう、間に合ったのです。山野草の芽吹きの前に設置したかった”鹿猪よけ金属柵”、その工事が連休前に8割方済んだのです。

補強の支え棒の取り付けは未だですが、とにかく敷地の周りを隙間なく金属柵で囲み、柵が地上と接する部分にはアンカーが打ち込まれました。この工事が終了した日の夜から鹿も猪も入って来なくなり、私は獣の気配で夜中起こされる事無く眠れるようになりました。

そしてお客様に私の織物やアトリエをお見せするために、アトリエは掃除せねばならなくなり・・・

倉庫の奥に眠っていた自分の代表作を捜し、それを出す事になりました。

アトリエトのテーブルの上に置いてあるこの織物、これは阪神大震災で亡くなった方々のために織った「棺衣」、男性用と女性用が対になっています。後に私の恩師の葬儀に使われたりしたのですが未完成の部分があり、織物を再開したら真っ先に取り掛かりたい作品なのです。

そう、作品が完成を待っているのです。

ボヤボヤしてはいられません。身体をメンテナンスして回復させ、織物に向き合える自分に一日も早く仕立て上げなくてはです。