ここは伊豆の私のアトリエ・・・
織っているのはダマスク織という紋織物です。

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私が使っているこの機はスエーデンからやって来ました。織物を始めた時は日本製の機を使っていました。織るという長時間の重労働で体を傷めてしてしまい、世界で一番体に優しいという、このスエーデンの機に替えました。この機を私に紹介してくれたのは、スエーデンの織物の先生クリスティーナ・リナルドです。

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機の部品を注文に織機の会社を訪問した時のワンショット、右端がクリスティーナ先生です。先生は昔の織物の研究や復刻でも有名で、私はスエーデンの先生の元へ古い模様織の技法を習いに行った事もあります。

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お墓で発見された中国の春秋戦国時代の模様織、シルクロードのから出てきた唐の時代の織り方、、、沢山のテクニックを習いました。

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下の本の写真は正倉院の御物の絹織物、上にあるのはその技法で私が織ったサンプルです。スエーデンでは絹はあまり使われておらず、先生の手元にも絹糸がなかったので、このサンプルの経糸は麻、緯糸はウールで織りました。それでこのサンプルはウールのマフラーのような出来で、見本とはかけ離れた織物になっています。

シルクロードが語っているように絹の文化は東洋から生まれました。自分がその日本の絹の文化を知らないのに気づき、その後私は、京都で伝統絹織物を学んだり、日本の絹織物の世界を走り回るようになったのです。

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京都で学んだ、刺繍するように沢山の色糸を織り込んでゆく唐織の技術。

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クリスティーナ先生が「もう日本にしか残っていないから学ぶように」と助言下さった、金箔紙を織りこむ技法も練習しました。日本には地域ごとに花開いた素晴らしい絹織物の文化がありました。

私が日本の絹の世界を走り回っていた頃、アドバイスを頂きたくてクリスティーナ先生を尋ねた事がありました。その時「100年前の旗を復刻するための絹生地を日本で捜す」という思わぬ宿題を頂きました。

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古くなったので新しく作り直すこの旗は、KTHスウェーデン王立工科大学の学生自治会の旗で、ノーベル賞の晩さん会で学生たちがこの旗を掲げて行進し、会場に掲げられる由緒ある旗と先生は話されました。旗には大学のモットー「平和的な行為に」というスエーデン語が金糸で刺繍されています。

同じ糸、同じ密度、同じ色の生地を探すのは難しく、いっその事生地を分析して織ってしまう方がと思い、先生に相談すると「OK」の返事。それからこの種類の絹織物の産地である山形県米沢市の織物会社の専務さんに相談してみました。専務さんは「このような名誉ある仕事、喜んで協力させて頂きます」とお返事下さり、日本での仕事がスタートしました。

「切手大の見本生地があれば、分析して同じ生地を織る事が出来る」と専務さん。早速クリスティーナ先生に連絡して古い旗の一部をほどいて、内部の傷んでない生地を切ったものを送ってもらいました。

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これがその見本生地です。

さあ、それからどのように進んで行ったのでしょうか?

実は10年以上前のこの仕事が、この度テレビ番組になって放映される事になりました。

「和風総本家」2時間スペシャル番組

10月20日(木)19:58~
テレビ東京系列(テレビ大阪)

今日は私の本業、織物の話についてお話しさせて頂きました。