先日の私の沖縄3泊4日運転手の旅、そのうち2泊を基地の街コザに泊まりました。沖縄を色々な面から見たいというMさんの希望でした。

那覇からの高速道路降りてコザの街に入る信号待ちをしている時でした。並んでいる車の脇を帽子を入れ物のように両手で持って、痩せた中高年の男の人が私達の前の車に近寄りました。追い払われてその車から一度離れたその人、何秒か後、前の車の窓があき、その人が近づき、手に持った帽子にお金が入りました。次に私達の車にその人が来るかもしれないと思っていたら・・・その人はスタスタ歩いてどこかへ行ってしまいました。どうして前の車だけに?ナンバーを見ると普通ひらがなのところが英語のナンバーでした。悲しい気持ちで車を発車させ、コザの宿泊先へ向いました。ホテルは街の中心を走る片側三車線の広するほどの道路に面していました。私はそのホテルで、その晩も次の晩もよく眠れませんでした。

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明け方、ホテルの部屋の汚れたガラス窓越しに写した写真。こんな時間なのに車がひっきりなし・・・ 普通の車だけでなくパトカーと救急車もひっきりなしなのです。

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それに車やオートバイの暴走。明るくなってからまだ飛ばしている暴走族をよく見ると、日本人ではないように見えました。広い通りには街路樹や緑もなく、廃業したようなお店が並んでいます。私達が泊まったホテルも同様で、大理石や鏡や立体駐車場等々、お金をかけたけれど、その後の手入れがされておらず、打ち捨てられた感じでした。

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基地が一望できるので有名な道の駅の展望台から。道の駅なので地元の産物があるのかと思ったらお土産品が少しあるだけ。食堂もベジタリアンの私が食べられそうなものもなく、換気が悪くていられなかったので直ぐ出て来てしまいました。

こんな基地の街から20分も郊外に行くと、天国のような場所があるのです。

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豪農中村家の家、戦災を奇跡的に生き延びた築300年の家で、国の重要文化財です。

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台風を避けるための石塀に囲まれた敷地、その内側には色々な植物が茂り、石畳の小道が巡っています。

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開け放された母屋、心地よい日陰と緑の香りのする風が流れています。

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土地も家も植物も愛されて大切にされ、土地も家も植物もそれにこたえて幸せそうです。

基地の街を今回初めて訪れて、私はこれと同じような街を見た事があるような気がしました。それは静岡県の原発の街、浜岡でした。街のつくり、街の雰囲気、とてもよく似ています。私達がその土地を愛さず大切にしない時、私達も愛され大切にされないのを、この二つの街を通して感じました。