先月末の札幌滞在中、毎日そこを通るのが楽しみな植込みがありました。札幌駅と宿泊先の間にある札幌グランドホテルの植え込みです。

空港から電車に乗って札幌駅で降り、荷物を持ってグランドホテルの前の歩道を通り過ぎようとした時、その植え込みの植物があまりに綺麗なので思わず足を止めてしまいました。吹く風はもう冬の風なのに、植え込みの色々な植物の葉は生き生きしていて、花が咲いているものまであるのです。宿泊先にチェックインして荷物を置いてからまた見に来ようと植え込みを振り返りながら宿泊先に急ぎました。

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もう一度見に来た時はもう夕暮れでした。 よく見れば見るほど感心してしまいます。植物の特性をよく知り、それを最大に生かした素晴らしいセンス。暖かい伊豆でももう終わりに近い植物が、寒い札幌で枯れることなく生き生きとしているのです。

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白い斑が美しい折鶴ラン、その横には青々した斑入りのアジサイの葉が。真っ白な白妙菊の葉、その右の白い花は伊豆で初夏から夏に咲くインパチェンスです。

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手前のクリーム色の斑入りの葉はビンカ、夏に紫色の花を咲かせます。

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クリーム色と朱色の花を咲かせているのは、何という植物でしょうか?全体的に涼しげな色合いの植え込みの暖かいアクセントになっています。

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植込みの下の方にはアリッサムでしょうか?白い花を咲かせています。上にある植物の葉が冷気から花を守っているので未だ咲いているのかも知れません。

この植え込みにある植物は春からず~っとここに植えられている。普通なら盛りが過ぎて、塔が立って形が崩れてしまうのに、、、10月末なのに未だ美しさを保っている。驚きです。目をかけ手をかけて世話されているのに違いありません。夕食を終えてまたこの植え込みの前を通り過ぎると、暗い中で植物が光っているように見え、思わず葉に触れてしまいました。

・・・ 札幌を立つ朝、荷物を持ってホテルの前を通ると ・・・

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女性が一人で植物の手入れをなさっていました。嬉しくて思わず近寄りご挨拶し、植込みが素晴らしい事、手入れが普通ではない事をお伝えしました。するとその方はニッコリ微笑んで、グランドホテルのこの植え込みはその方一人で植え付けから手入れ全てをやっておられる事、何処も同じで予算的にタイトなので、植えた植物をなるべく長持ちさせるように手入れしていると話して下さったのです。そして、その方は造園業や花屋さんに属していなくて、お一人でやっていらっしゃるのだと。

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朝食ビュフェの美味しい ノーザンテラス・ダイナーの前の植え込みはポットですが、夏の花のナスタチウムがこんなに生き生きしています。

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赤いゼラニウムの花が未だ残っている☆ その下のつる草は何なのでしょう?

大切にされている植物は生き生きと輝き、その光を道行く人に投げかけているように見えます。植物を愛する方の愛と、愛されている植物からの愛のシャワーを通り過ぎる人々は浴びているのだなと思いました。