産業革命で布が動力を使って大量生産される前は、手織りの布は貴重品だった。その土地で手に入る素材で糸が紡がれ、手紬の糸を無駄なく合理的に手織りし、織り上がった布は無駄なく裁断され、丁寧に手縫いで縫製され衣服となっていた。

世界中の民族衣装の形は、その地で手に入る繊維(麻・綿・毛・絹など)、その織り方と織り巾が深く関係しているのではないか? そこで色々調べて、知りたかった事が書いてある本を見つけました!

1970年代カナダのRoyal Ontario Museumで出版された本ですが、中古をアメリカのAmazonで見つけました。

「Cut my cote」

このタイトルは、英国の古いことわざ「I shall cut my cote after my cloth」=「布の分だけコートを裁つ」から来ています。意味は「身分相応に振る舞う」「身の丈に合った行動をする」という教訓を表していて、自分の財力や能力を超えたことをせず、分相応の行動を心がけるべきだという戒めとの事。

コプト時代のチュニックの解説から始まる”シャツの発展と歴史”

13世紀のフランス

男性用リネンのシャツ、その裁ち方

16世紀後半のイタリア

男性リネンのシャツ、その裁ち方

19世紀初めのイギリス

男性用綿のシャツ、その裁ち方

19世紀中頃パレスチナ

女性用綿のシャツ、その裁ち方

20世紀初頭日本

男性用綿藍染の着物、その裁ち方

世界中どの国でも、伝統的な衣服は生地を無駄なく最大限に生かして裁ち、その国独特の形と美の世界を作り上げていたのです。

大量生産大量消費に私達も自然も疲れてしまっている今、「古の時代の織物と衣服」は大切な事を教えている気がします。

日本人には着物が似合うのは分かっているのですが、日常着として着物で働くのは今の私達には不可能に近い。

私達が今、飽きずに毎日着たくなるシャツ、それはどんな形になるのか?

織った布と過去のサンプルを並べて、毎日眺めながら考えています。