骨折した方の足で織機のペダルが踏み込めるようになったものの・・・

1年以上のブランクで心身ともに鈍くなり錆び付いて、真面な織りが出来ないのに気付いた私・・・

↑緯糸が入らなくて丸くなるはずの模様が卵型になってしまいます

気分転換してから気を取り直し、私はモーレツに勉強を始めました。

糸や織物の過去のデータ、倉庫に眠る1トン近い糸の種類の確認、

過去に織った作品や織見本やその記録・・・

織物分解の参考資料、好きな織物の研究書や豪華本、これはと思うものを倉庫や本棚から取り出し・・・

いつでも見られるように仕事場の机に、織機の傍らに、キッチンのテーブルに、寝室の枕元に並べました。寝ても覚めても、食事の時も、休憩中も、とにかく input です。

↑ 「打敷」着物を縫い直してお寺に寄進したもの(江戸時代初期)

絶えず、布や糸や好きな織物の写真を見て、データや記録や資料に目を通して、input して行けば、それが自分の心身に行き渡り溶け込んで、自分のものに成るはず・・・

↑ 「袈裟」着物を縫い直してお寺に寄進したもの(19世紀)

inputが臨界点に達せば、自分のフィルターを通した美や計算、そして私らしい織物が溢れ出して来ると思うのです。

↑ 大好きな江戸前期・中期の着物

ブランクを乗り越えるのは思っていた以上に大変です。

ここしばらくは input

悔しいけれど織るのはリハビリと考えて、織り進む事にします。