織物の本格的再開を機に、仕事場の整理をしています。本や資料を片付けていたら、捜していた1枚のカラーコピーが出て来ました。
13年前、近くに住むシングルマザーのお友達から頂いた、一人息子R君の絵のコピー。
山や野原で遊んだ思い出や空想を描く「みどりの絵」コンクールで、最優秀賞になった絵です。R君が通う地元の小学校に取材があって大騒ぎになったこと、「表彰式に行くのよ」と、嬉しそうに話してくれたお友達。
絵の題名は「木を植える象型研究所」
何故「象型」なのかと言うと、R君は車が、タイヤが、嫌いだから。R君は山の上にある自宅から麓の小学校まで、お母さんやお祖母さんの運転する車で通っているのですが、山道にはカエルや生き物が一杯。生き物をひき殺してしまう車が嫌いだったのです。
この絵に描かれた木を植えながら動く「象型研究所」は、タイヤではなくて象の足のように動くので、生き物を避けて進めます。
前足には研究所に昇る梯子があります
後ろ足にも梯子がありますが、その脇は植物の種の保存場所になっています。
その上には海の生き物の研究所
虫の研究所
植物の苗を育てるセクターもあります
そして、この動く研究所の動力は・・・ 自転車のような人力です☆
上部には風力発電もあります☆
象の目の部分は操縦席です
人々が植えた木には、象の鼻から散水!
私はこの絵を見て「何て素晴らしい世界!」とR君を尊敬してまいました。R君は子供なのに世界情勢に詳しく落ち着いていて、お母さんやお祖母さんに「長老」と言われていたのに納得してしまいました。
それからしばらくして、R君のお母さんから畑を貸して下さる地主さんを紹介頂き、私の野菜作りがスタートしました。R君のこの絵に刺激されて、私の「見て美しく食べて美味しい菜園」のイメージが固まり、それを実現してみたくなったからでした。
R君は今化学者の卵、この絵に描いた彼の想像の世界を創造するための研究を始めているのかもしれません。