お雛様のお菓子を送って下さったお友達は、私より少し年上で都内に一人住まい。彼女も私と同様にシェディングに悩まされていて、その対策をしながら、毎日を如何に楽しく健康に過ごすかの情報交換で、話が盛り上がりました。

彼女は外出時は二重のマスク、なるべく空いている時間帯に外出、移動はタクシー、休憩は天井が高く換気の良いカフェ、都内の公園を歩いて回ったり屋外で人に会ったり・・・

驚いたことに、亡きご主人が「良いから行っていらっしゃい」と言っているように感じた展覧会に、最近行き始めているとのこと。

それで、昨日、私は意を決して、彼女が行ったお薦めの展覧会に行って来ました。

場所は東京駅のステーションギャラリー「見た、切った、貼った」生誕120年宮脇綾子の芸術です。

お友達の忠告通り、開館と同時に入場するために事前に電子チケットを購入。通勤時間帯の伊東線と東海道新幹線を乗り継いで9時半に東京駅着。丸の内北口を出ると、ステーションギャラリーの出入り口にはテープが張ってあって、既に30人くらい人が並んでいます!

ギャラリーのスタッフが列の整理をしていて、入場券の買い方&前売り券の人の入り方を声を張り上げて説明。並んでいる人はお金やスマホのバーコードを用意したりザワザワしています。10時少し前に出入り口が開くと、人が中に殺到しないように入場制限をしながらの入場。

会場は2&3階なので、エレベーター前にまた並んで・・・会場着。

会場に入って、私はその作品の多さに先ずビックリ。入場した人の大半は順を追って観るので、会場は奥は未だ空いていますが手前は大混雑。それで私は人混みを避けて逆方向から観て廻ることにしました。

宮脇綾子さんは、子育てが終わった40代からこれを始めたとの事。私は使われている材料の古布の中に、非常に古いのがあるのに驚きました。今から80年前に古布だったのですから、その中には江戸時代に織られただろう布があるのも不思議ではありません。

集めた古布は作品にしただけでなく、古布の小片を干し柿と魚の干物の形に切って並べ「縞帳」のように貼った帳面がありました。その小片は何と万の単位! 気の遠くなるような作業・・・宮脇綾子さんが布をどんなに愛おしく思っていたかです。

宮脇綾子さんの視点は地面に近い日常、それを丁寧に丹念に生きながら、彼女の目を通して一片一片布を置いて行く・・・

素材の古布自体に人の手の蓄積があり、使われた古布にはそれを使った人の時間があり、その上に宮脇綾子さんの手と時間を感じて、私は地を這う人間のエネルギーに圧倒されてしまいました。

会場もドンドン混んで来て何だか息苦しくなって来たので、出口へ向かい戸を開けました。

出口を出ると、そこは階下へ行く階段室。

グルグル回って下り、ミュージアムショップで絵葉書を数枚買って・・・ 何だかフラフラ、休憩が必要です。

お友達から近くの休憩に良いカフェを教えて頂いていたので、早速OAZOへ。

OAZOの丸善にあるカフェへ直行。珈琲は美味しかったのですが、お友達が言うように静かで広々とはしていなくて、お客さんも多くて賑やか・・・

私は何だか落ち着かなくて少し休んだけでカフェを出て、久し振りに美術書を見ようと1階下へ。

すると美術書の奥の窓側にもカフェがあるではないですか。窓に面してカウンター席があり空いています。どうも私は同じ丸善のカフェの違う方へ行ってしまったようでした。

完全防備で朝早く首都圏に出て来たので、この後は横浜の夫のご先祖様の墓参です。東京駅構内に入ると・・・ 東北・上越・長野新幹線が運休状態で混雑しています。私は東海道線で横浜へ行き、墓参を済ませ、新横浜から熱海経由で帰宅。

自分がつくづく田舎のネズミなのを感じた1日でした。