スエーデン在住のNさんから、亡き恩師の収集品展覧会に添える冊子準備がもうすぐ終了のメールが届きました。

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5月に入りました。いかがお過ごしですか。 ・・・ コロナの方もなかなか収まっていかないようで、この機会に落ち着いて、今まで溜めてきた掃除や物の整理を始めようと思っています。仕事場にあるものの整理だけでもすごい量です。

仕事場の庭に2年前に種を植えた、藍色を染めるウォードが育って黄色い花が咲きはじめています。まだ少ないのでちゃんとした量を染めるのに種を取って段々に増やしていこうと思っているのですが、今年は少し葉を取って試し染めしてみようかなと思っています。ではお元気で。 Nより

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Nさんは仕事場へ通う回数が減っただけで、コロナ以前と生活はさほど変わらず、彼女らしい生き方を淡々と続けている ・・・ 私はそんな彼女の姿に妙に感動してしまいました。

Nさんの素敵な仕事場、2019年1月、恩師にお別れにスエーデンへ行った時の写真です。

60年ほど前に建てられた集合住宅の1階にその仕事場はあります。

1階は外光が入る広い空間、中2階が倉庫。2階に織機が置いてあって、キッチンと寝泊まりも出来る小部屋があります。

机の上には現在制作中の作品が・・・

壁には作品の色彩計画が貼ってありました。

太陽が少ない北欧の冬なのに、壁面一杯のガラス窓からの光が一杯の室内。

入り口のわきに大きな段ボール箱が並んでいるので、Nさんにたずねると・・・

田舎の家で一夏かけて集めた草木染用の植物を干したものとのこと。私はビックリ仰天してしまいました。植物は干せばほんの少しの量になってしまいます。これだけの量の乾燥した草木、生だったら納屋一杯分かもしれません。

干した草木は湿気ないように種類別にジップロックに入れてあります。

これらの草木を染める手間を考えると気が遠くなりそうです。細かくした植物に水を加え、外に置いた大きなコンロで何時間も煮出すのです。Nさんのこの根気、粘り強さ、確実なペース、本当に敬服です。

亡き恩師がかつて作った草木染のサンプルを見せて頂きました。

それぞれの色に染めた糸に付けていたタグも大切に保管されています。

この恩師のサンプル染めの糸、それにタグも使った作品をNさんは制作中でした。

草木染めの色々な色が優しく調和するモザイクのような作品・・・ 自分が染めた糸がこんな素晴らしい作品になって、亡き恩師は喜んでいるだろうな~と、私は胸が熱くなりました。

新型コロナの蔓延は未だ治まる事なく、私達は新型コロナと共存を念頭に、生きて行くのだろうと思うようになりした。

私には若いころ栽培した藍の葉を乾燥させたものが沢山あるし、糸も織り切れない程、織った織物も山ほどです。隔離生活が続いでも退屈する事はありません。ようやく体力が戻って来たので、私もソロソロ仕事場の大整理と大掃除を始めようと思いました。