先生の終の棲家となった老人ホームには、1階の入り口を入ったホールの横に、外部の人も利用出来るレストランがあります。

美味しいので、Nさんは先生を訪ねた時によく利用したとのこと。 ホーム入居者は自分のその日の食事をこのレストランで食べることも出来、外部の人はレストランのメニューから選んで、入居者の方と一緒に食事が楽しめるのです。

お昼時は混んでいるとの事で、ピークの時間が過ぎたころ私達はレストランへ行ってみました。 メニューが入り口に書き出してありました。

私はスエーデン語は分からないのですが、第六感で読むと・・・

~今日のベジタリアンメニュー~
QUORN のグラタンのセットメニュー
ホウレン草とチーズのセットメニュー
ケールのサラダとバスマティライス
92クローナ

私はQuornというものを食べた事が無かったので、一番上のセットメニューにしました。Nさんもそれにしました。先ずお盆をとって、カウンターでメインデッシュをコックさんに告げ、大きなお皿に盛りつけたメインを受け取ります。次にサラダバーで小皿に好みのサラダを盛り、パン類を取ります。

すごいボリューム、これで¥1100くらい、近くだったら通いたくらいです☆

Quornとは、丸麦が主原料のチキンのような味とテクスチャーのベジタリアン食材とのことで、それをリークの入ったクリームソースをかけて焼いてグラタンにしてあります。キノコ風味の茶色いソースとご飯、それに赤い白菜の和え物が添えられていました。Nさんの説明によるとこの白菜料理は「スエーデン風キムチ」で、近年スエーデンに受け入れられ定着しているのだそうです。

Quornは、切った感じも、食べた感じも、チキンの手羽にそっくりでした。日本では見たことがないベジ食材です。

サラダバーには、ローストした野菜や、豆のサラダ、生の野菜が色々あって、あれもこれもとこんなに盛ってしまいました。

メインにご飯がついているのに、パンを見たら手が伸びてしまいました。カリカリの平たいライ麦パンに、ハーブの入った塩味が勝った自家製ホイップバターは最高に美味しかったです。

その日はデザートはありませんでしたが、ドリンクバーにはコーヒーとクッキーがありました。

私達がゆっくり昼食を食べていると、お客さんが少なくなった店内のテーブルを囲んで、コックさん達の昼食が始まりました。楽し気な会話と笑い声で、彼らに背を向けて座っていた私は最初はお客さんかと思っていた程です。 和気あいあいと楽しく働くから、こんなに美味しいお料理が出来るのかもしれません。