恩師の亡骸にお別れをし、先生の終の棲家を訪ねて、私もNさんも心身共に疲れて帰途につきました。私は何かホッとするような甘いお菓子が食べたくなり、Nさんに言うと「今しか食べられない伝統的なお菓子があるけれど、エミ子さんはビーガンだから駄目だと思っていた」と。 たまになら食べられる事を説明し、Nさんの住まいの近くにあるお菓子屋さんに寄ってこんなケーキを買いました☆

「セムラ」 復活祭の前にだけ食べるお菓子だそうです。 すごく大きいです。小さいサイズのもあるのだそうですが、買いに行ったのが夕方だったので、大きい方しか残っていませんでした。

カーダモンの香りがするブリオッシュのような柔らかいパンの中に、マジパンが入っていて、その上にホイップドクリームがのっています。Nさんと私は、夕ご飯のつもりでこの「セムラ」に挑戦することにしました。思いの外しつこくなく、そんなに甘くなく、色々お話をしながら二人とも全部食べてしまいました。  疲れた時のお菓子は本当にホッとさせてくれます。

でもその晩、私は色々な事が頭を巡り1時間ほどしか眠れませんでした。翌朝Nさんにそう言うと、Nさんも眠れなかったとのこと。その日私は先生が教えていた大学に行くことになっていたので、その前に先生のお葬式に使う棺衣とその金の装飾帯を合わせて、打ち合わせをすることになりました。

キッチンの長いテーブルに棺衣本体の半分をひろげ、金の装飾帯をのせてみました。

しっくり落ち着いて見えます。

中心が金の十字になるデザインです。

右の四角い布は、葬儀の儀式で土を使う時、棺衣本体が汚れないように敷く布で、これも今回制作したのですが、本体と調和している感じです。

先生の葬儀は2月26日ヨーテボリのチャーチで行われます。色々ありましたが、Nさんのお声掛けで、恩師の葬儀に私の棺衣を使って頂けるようになって、それが間に合って本当に嬉しいです。 Nさん本当に有難うございます。感謝の気持ちで一杯です。