4泊5日で横浜へ行っていました。

「タスカジ」の初仕事を終えて、昨夕伊豆に戻りました。

日が暮れた伊豆の山はひっそりしていて、海と暗い空が溶け合っていました。

テラスから外を見ると、出かける前は銀色の芽をふき始めていた木々は緑の葉を茂らせています。

心地よい風が吹いていました。深呼吸すると木々のエネルギーまで胸に入って来るようです。

5日間都会で働いてエネルギーが枯渇していた私。伊豆の山の生命力一杯の空気を深呼吸して、自分が心身のエネルギーチャージをしているのに気づきました。

「タスカジ」での初仕事は、わたしにとって貴重で素晴らしい体験でした。

最初にお尋ねしたのは3歳の坊やのフルタイムで働くシングルマザー。ドアを開けると「ごめんなさい、息子が熱を出して片付ける時間がなかったのです」とお母さん。家の中は足の踏み場もない状態。その日の私の料理は、取り寄せの安心野菜を出来るだけ丸ごと使ったお料理。ダシや調味料はなるべく天然のものをを使用、特にリクエストのあったのはカボチャのスープでした。

キッチンも道具を置く場所もない状態だったので、先ず片付けからスタート。取り寄せの野菜や冷蔵庫に残っていた野菜を使ってお料理を作り始めました。作ったのは卵入りポテトサラダ、ラディッシュの甘酢漬け、カブの一塩、切り干し大根の煮物、ヒジキ煮、人参のサラダ、菜の花の塩ゆで、高野豆腐の煮物、ラディッシュとカブの葉の塩炒め、大根と里芋の中華風煮物、小松菜の梅海苔和え、カブの炒め煮、カボチャのポタージュ、でした。

途中で坊やが起きてきて、元気が出てきたのでご飯を食べる事になり、出来たてのポテトサラダを食べました。カボチャが大好きとの事、ママがカボチャのスープをリクエストしたのも坊やのためだったのです。私はベストを尽くしてカボチャのスープに取り掛かりました。材料は玉ネギ、カボチャ、オイル少々、昆布だし、それだけです。その日の夜頂いた私へのレビューを読んで私は涙がでました。「・・・素材の味を生かした優しい味付けのお料理で大満足です。息子は作っていただいたカボチャのスープを三杯もおかわりするほど美味しかったようです。・・・」

わが家の勝手口の下を見ると、山椒の木が葉を茂らせています。

出かける前は芽が出たばかりだったのに・・・

最初の「タスカジ」の翌々日が次の「タスカジ」でした。3ヶ月の赤ちゃんがいる共働きのお宅でメインの肉魚系以外の副菜をベジタリアンでという依頼。作ったのは、切り干し大根煮、ヒジキ煮、3色キンピラ、牛蒡と厚揚げの味噌煮、カブと厚揚げの煮物茹で卵添え、小松菜と油揚げの炒め煮、ブロッコリー塩ゆで、青菜塩炒り、人参のサラダ、ポテトサラダ、ミネストローネ、コシャリー(エジプトのごはん料理)トマトソース添え、ブラジル風野菜のタルト、でした。

お母さんが赤ちゃんを抱いてキッチンに見学にきました。お話を聞くと、近い将来スタートする離乳食に良質の野菜を食べさせたいという希望があって、私に依頼されたとの事。「タスカジを続けてなさいますか?」と聞かれました。

フルタイムで働いてご自分はクタクタなのに、子供の健康な成長のために必死頑張っていらっしゃる「タスカジ」の依頼者の方々。私はそのお母さんたちの気持ちに心を打たれ、月何回しか出来ない「タスカジさん」だけれど、自分のベストを尽くそうと決心したのでした。