この師走は本当に忙しくて、体力ギリギリで年を越しました。クリスマスのご馳走もなし、鏡餅も飾らず、お節料理も年内に用意できませんでした。 今日ふとダイニングの棚の上にプレゼントの包みがあるのに気づきました。
デンマークのお友達 Winnie からクリスマス前に届いていた包みです。開けるのを忘れていたのです。金色の包み紙にハートの切手。
包みの裏にもハートが・・・
包みを開くと手織りの布巾が2枚出て来ました。Winnie は織物とニットの作家で、知り合ってもう30年近くになりまが、毎年クリスマスに手作りの何かをメッセージと一緒に送って下さるのです。作家として教え手として多忙な毎日なのに、どうやって時間を作って機に向かっているのか。
1枚目の布巾を開くと、表はこんな色合いです。
彼女の仕事の素晴らしいのは、織物の組織と構造を知り尽くした上でのデザインと色です。この小さな布巾にもそれがちゃんとあります。経糸の耳糸に細い糸を使って織りやすさと強度を、耳糸を赤にしてアクセントにしています。
もう一枚の布巾は糸の通し方の順番で自然に生まれる幾何学模様です。
これも耳糸を細い糸にして強くし、赤い色がアクセントになっています。
手紙に添えられていた Winnie の手織りの布巾の戸棚の写真 ・・・
リーマンショックでご主人の事業が駄目になり、ご夫妻で土づくりから始めた素晴らしい農場と家を手放し、ご主人はその後心労で亡くなり・・・ 彼女は新しい場所に小さな家を借り、そこでBed & Breakfast をしながら彼女の人生の再スタートをしました。何があっても、辛抱強くコツコツと諦めないで自分の世界をしっかり生き、自分の夢に向って歩いている Winnie 。
人生は織物のような気がします。一本の糸の選択が、一瞬の気の入れ方が、織物を左右し結果に表れます。人生も、日々のその人の小さな選択が一本の糸となって、その人の人生を織りなして行くのだと思います。